気になる歴史は・・・その2
○●太平洋戦争
加害者と被害者の位置づけ、随伴する戦争責任の所在、謝罪と補償問題など論点が錯綜して前へ進みません。
加藤典洋氏の『敗戦後論』が批判されたように、死者の追悼さえ、加害者と被害者のどちらを優先するかで収拾がつかなくなっています。
そのうえ、論争の当事者は戦中派ではなく異なる価値観に立つ次の世代に移っています。
エリー・アレヴィが指摘するように「ある世代の賢愚が次の世代の賢愚と相似するとは限らない」のです。
○●太平洋戦争
加害者と被害者の位置づけ、随伴する戦争責任の所在、謝罪と補償問題など論点が錯綜して前へ進みません。
加藤典洋氏の『敗戦後論』が批判されたように、死者の追悼さえ、加害者と被害者のどちらを優先するかで収拾がつかなくなっています。
そのうえ、論争の当事者は戦中派ではなく異なる価値観に立つ次の世代に移っています。
エリー・アレヴィが指摘するように「ある世代の賢愚が次の世代の賢愚と相似するとは限らない」のです。
○●太平洋戦争
ほとんどの戦争は、終わったあと「無意味だった」「必要のない戦争だった」と苦い悔恨の思いで悟られます。
では、バーバラ・タクマン女史が割り切ったように、太平洋戦争もトロイ戦争からベトナム戦争までくり返された「人類の愚行」の一つにすぎないのでしょうか。
終戦から半世紀を経て、「あの戦争」の意味づけが問い直されようとしていますが、論議は深まりません。
あまりにも自由な思考を妨げるバリアーが多いからです。
劇場の楽屋からはじまる第二篇では、伯爵に化けた大吸血鬼が踊り子に毒針のついた指輪を贈ります。
こうもりの衣装を着けた踊り子が天井から降りてくる舞台を奥に、伯爵のいるボックス席を手前に配した当時として驚異的な奥行きを持った画面が素晴らしいです。
カメラは舞台に寄って、編蟷の羽を広げた踊り子の体がゆるやかに崩れ落ちる瞬間を捉えます。
痙攣する美とはこの場面のためにある言葉でしょう。
第三篇に移り、ミュジドラ扮する女盗賊イルマ・ヴェップが登場します。
どことなく愛嬌を漂わせる目だけくりぬかれた黒頭巾から、全身透けそうな黒絹のタイツまで、黒ずくめのエロティシズム。
フィリップは吸血団の暗号を解読し、イルマが歌うキャバレーに向かいます。
看板を見たフィリップは、イルマ・ヴェップの文字が吸血団のアナグラムであることに気づきます。
ここでアニメーションのテクニックが使われ、「IRMAVEP」の文字が動きだし、「VAMPIRE」に並び変わるのです。
フィリップの視点による鏡のショットの中では、女中に化けたイルマがベッド脇の水の容器を取り替えているのが映ります。
この後、宝物を隠した地図とか、室内から航海中の船を撃沈する大砲や、舞踏会の客を眠らせる催眠ガス、橋から飛び降りた列車上の銃撃戦など、心臓の震えが休まらない展開が続きます。
各篇を追うごとに催眠術師やサタンや化学者や偽イルマが登場し、悪漢たちも敵味方に別れ、諜報戦を繰り広げます。
まだ切り返しショットが発明されていない時期だけに、全景での芝居が多く、アップ・ショットが時折挟まれる位の簡潔なデクパージュがかえって新鮮。
大吸血鬼を閉じ込めたトランクが車から降ろされ、河に落とされる時のロング・ショットの生々しさには、思わず息を飲むばかりです。
『ドラルー』はリアリズムとファンタジー、つまりリュミエールとメリエスの奇跡的な融合です。
パリの屋根の下、怪しい屋敷や路地、フォンテーニュブローの森・・・。
当時の観客は、まるでパリで今まさに犯罪が進行しているような臨場感を味わったことでしょう。
フランス政府は、良俗を乱すという理由で上映禁止の処分にします。
フイヤードは主人公を善玉にすればいいだろうと、刑事を主役に次のシリーズ『ジュデックス』(16)を開始しました。
後年、長らく忘れられていたフイヤードはアンリ・ラングロワによって復活します。
そして、この作品で一躍スターの座を得たミュジドラは、晩年シネマテーク・フランセーズの切符切りをしていたといいます。
1905年、ルイ・フイヤードは世界最初の女性監督アリス・ギイの脚本担当としてゴーモンに入社し、翌年には監督となりました。
初め追っかけ喜劇を撮って好評を博していた彼の転機となったのは、『ファントマ』5部作を世に放って、連続活劇のブームを作った13年。
そして、よりスケールアップした新シリーズを開始します。
15年から翌年にかけて発表された『ドラルー』10部作がそれです。
全篇で8時間24分にもなる怪物的な大長篇で、一篇が短いもので17分、長いものでは1時間強もあり、実に想像力をかきたてられる題名がついています。
「第一篇・切られた首」
「第二篇・人を殺す指輪」
「第三篇・赤い暗号文」
「第四篇・幽霊」
「第五篇・死者の逃亡」
「第六篇・魅惑する眼」
「第七篇・サタン」
「第八篇・雷の支配者」
「第九篇・毒の男」
「第十篇・血塗られた婚礼」
『ドラルー』の各篇は、それぞれがパリという街に巣食う陰謀と妄想の網の目の一片といえます。
新聞記者フィリップが相棒のマザメットとともに、"吸血団"という犯罪組織と闘うというのが物語の骨子になっています。
吸血団の首領は、医者や貴族など様々な変装で登場する大吸血鬼。
第一篇はドクター・ノックスの館を訪ねたアメリカ人富豪シンプソン夫人の宝石の盗難事件を軸に、額縁の裏の隠し戸から刑事の首の入った箱が見つかるまでの話です。
秘密の抜け穴から脱出した黒装束の大吸血鬼がパリの屋根を歩き、壁を伝って降りてくるのをパンで追ったラストの画面に、都市の暗黒面の奇妙な魅力が放たれます。

特殊効果には、普通の撮影手段をとる機械的効果と、特殊な撮影技術による視覚的効果があります。
前者の場合、カメラの前で人工的に雨や雪を降らせたり、『ジョーズ』(75)のように模造物を作るなどし、機械的な仕掛けで創遣する効果をいいます。
後者の場合は、異なる要素を1つの画面に統合するプロセスや、フィルムのプリントを複写するオプティカル・プリンターなどを用いる光学処理が基本をなします。
戦前の『メトロポリス』(27)や『キング・コング』(33)、戦後の『2001年宇宙の旅』(68)などは、特撮技術の大きな成果でした。

そして1970年代から80年代にかけて、この分野にエレクトロニクスが積極的に導入されるようになります。
『スター・ウォーズ』(77)などが、この時期の代表的な作品です。
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